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結納するときは

結納のときは

結納は日本古来から伝わる婚約のかたち。家や地域によって習慣やしきたりも違います。

ポイント
  • ・地域によって習慣が違う
  • ・大きく関東型と関西型に分けられる
  • ・正式、略式、簡略式など形式は各種
  • ・両家で習慣や形式が違う場合は話し合いで調整
ふたりの間柄を社会に認めてもらうために

結納は日本独特の婚約の形。二人が結婚するという意志を公にして、二人の間柄を社会に認めてもらうための儀式です。
もちろん口約束だけもOKですが、けじめをつけるために、両親をはじめとして、親戚、友人、職場の人などに対して、何らかの形で公表することが望ましいでしょう。

[時期]
結婚式の6~3か月前の吉日を選ぶのが一般的。挙式までの準備期間の余裕がもてるように設定しましょう。

[日時]
大安、友引の午前中がよいとされていますが、必ずしもこだわるものではありません。
最近は、本人・両親・仲人の都合のつけやすい土曜、または日曜、祝日に行うことが多くなっています。どの場合にせよ、おそくとも夕刻までには結納の儀式が終了できるようにします。

両家が集まって目の前で結納を交換

結納の方法は移り変わっています。
かつては仲人が使者となって相手宅に結納品などを届けていました。この方法は往復型と呼ばれ、仲人が、男性宅→女性宅→男性宅→女性宅と、行ったり来たりします。本来はこれが正式の結納方法でした。
しかしこれでは、忙しい現代人にはなかなか難しいでしょう。
そこで、最近行われているのは、女性宅やホテルなどに両家がそろい、お互いの目の前で結納品などを交換する方法です。これならば仲人の負担も少なく、時間や手間が短縮でき、とても合理的にすすめられます。そのほか、両家ともに結納品の用意をせず、婚約指輪と記念品の交換をする方法も主流となっています。
また最近は、仲人をたてずに結納を行う人がふえており、この場合は男性側の父親が仲人に代わって進行役を務めます。

情報結納金の相場とめやす

結納金は、嫁入りするための支度金であり、「御帯料」として男性側から女性側へ現金を贈ります。現代では給料の3倍が標準ですが、収入に応じた金額を用意すればよいでしょう。
関東には「半返し制度」がありますが、最近は少なく、7割くらいの人が「お返しなし」になっています。男性側から「半返しはなし」といわれたら、女性側は金包の中がカラになってしまうので、「ご縁がありますように」の意味で5のつく数字のお金(50万円をいただくなら5000円、100万円なら5万円)を入れ、御袴料と目録に記入。ただし、このことは必ず男性側に話しておきます。
仲人は、お見合いから結納までお世話になるのは下仲人と言って、5万~10万円を両家名で包み、「御礼」と書いた結びきりの金包を、菓子折りの上に置いてわたします。
なお、挙式の媒酌人もお願いする場合は、挙式後に結納分と挙式分をまとめてお礼します。

東と西でことばや方法が異なります

地域によって各種違いがありますが、大きく関東式と関西式に分けられます。関東式は「結納を交わす」といわれるように、双方からの結納を交換。関西式は「結納を納める」というように男性側から送るだけになります。
関東式は男性側から結納品に対して女性側は同等か半額程度の結納品を返します。関西式は女性側から受書だけを返すのが一般的です。
両家で習慣や形式が違う場合には、お互いに話し合いで調整しますが、結納品は女性宅に飾っておくものですから、女性側のしきたりに合わせてあげたいものです。

Q. 仲人や証人の役目はなに?

A. 二人で決めた婚約を、より正式に社会的なものにするためには、第三者に認めてもらう必要があります。不幸にも婚約中にトラブルが発生して破談になった場合も、法的に有効な証人となります。

Q. 実家が北海道と九州のカップルは、どこで結納するの?

A. 男性側が女性側へ出向くのが一般的。男性ひとりが女性宅へ出向く場合もあります。最近は、両家が一ヶ所に集まり、結婚式場やホテルを利用するケースが多くなりました。会場で祝膳なども用意してもらえます。

Q. 結納のときの交通費はどうすればいいの?

A. 交通費がかかった場合は、かからなかったほうが食事代を負担するなどしましょう。
ただし、仲人には「御車代」を渡します。下仲人には、「御車代」と表書きをした金包を「御礼」に重ね(御礼が上)、結納後に。また、媒酌人もお願いする場合は、結納後は「御車代」だけわたします。この費用は双方で折半しましょう。

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結納品をそろえる場合

結納品は関東式と関西式でデザインが異なります。両家相談して、数や金額などを決めましょう。

ポイント
  • ・結納品目は9品、7品、5品と奇数。
  • ・結納品のレベルが同じになるようにセットで求める。
  • ・関東式と関西式では、結納品の形が違う。
正式な結納品は九品目

九品目をそろえるのが正式。各品は、長寿、健康、家と子孫の繁栄にちなんだものです。女性側からの結納品は、男性側と同じか、少なくします。女性側のほうが豪華になっては相手に恥をかかせることになるので、事前に打ち合わせをしておきましょう。
地域:関東と関西で形も飾り方も異なります。
  結納品は、飾り方、金額、取り交わし方、目録の書き方など、地域によって違います。関東式は一式を白木の台にのせ、目録をそえます。すべてをのせるため縦長で平面的になります。対する関西式は一品ずつ別々の台にのせ立体的な水引きや飾りがつき、とても豪華。式自体も中部、関西以西は豪華に行われます。伝統的な約束ごとであり、それぞれの文化、習慣が大切にされているので、どちらのやり方で行うのか決めましょう。

結納金はなくても指輪のプレゼントが今風

後々まで残るふたりの大切な記念品として婚約指輪を贈るのが一般的となっています。ダイヤモンドの指輪が人気ですが、正式には女性の誕生石の指輪を贈ります。最近は40万円程度の指輪が多く、女性はその半額程度の記念品を男性に贈ります。

情報受け取った結納品の飾り方としまい方

部屋の上座に当たる場所で、床の間に飾ります。和室のない場合は、サイドボードや部屋の上座に台をしつらえて、その上に飾ります。挙式後に下げて、目録と受書を記念に保存しておくことが多く、そのほかのものは処分。神社やお寺で玉串料をそえて燃やしてもらいます。結納から挙式まで日数のあるときは、結納後10日間、挙式前10日間だけ飾っていいです。
結納品の包み方:結納品を運ぶ場合は、片木盆ごと新しいふろしきに包む。このときお弁当を包むような結び目はつくらない。これは結び目をほどくことをきらうため。
婚約指輪は、結納品を並べた白木台とは別に指輪飾の台を用意。指輪を入れた箱は2枚重ねの奉書紙に「寿」と表書きして、紅白か金銀の水引をかけ、贈り手の名前を書く。目録には「御帯料 結美和付け壱封」と記す。結納品を略式にするときは、品目数が奇数になるように減らし、七品目、五品目、三品目と。どの場合でも、長熨斗、目録、金包が含まれる。なお飾る順番はとくに決まりはないが、どんな贈り物でも、のし上は右上(一番最初)にあるものだから、結納品の右端にはやはり長熨斗を飾るのがいい

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目録・受書を書くとき

目録と受書はビジネスにおける「納品書」と「領収書」結納品とともに取り交わします。

ポイント
  • ・必要項目が印刷された市販の用紙を使うのが一般的。
  • ・差出人とあて名は両家の父、または婚約者本人とする。
  • ・薄墨ではなく必ず濃い墨で書く。

正式な結納には、結納品のほかに目録と受書が必要です。目録は結納品名と数量を列記した送り状、受書は結納品を受け取ったとする受取書。ビジネスにおける「納品書」と「領収書」に当たります。奉納紙に濃い墨で書き、三つ折にして「目録」と表書きします。市販の結納セットには印刷されているものがついており、これを利用するのが一般的。

(目録)
関東式では双方で用意 関西式は男性側だけ
結納品を列記した送り状。「一、御帯料 壱封 一、勝男武士 壱台・・・・・・」と墨書で列記し、最後に「右の通り幾久しくめでたくご受納ください」と書きます。日付は結納の日とし、両家の父親の名前を明記します。
地域:関東式では双方が結納品を取り交わすため男性側と女性側が用意します。男性側が納めるだけの関西式は男性側だけが用意します。
目録の書き方:初めに「目録」と大きく書く。1行目は空白になっているので、金包として男性側は「御帯料」と書き、女性側は「御袴料」と書く。以下、結納品を並べた順にしるす。「一、○○○」と列記。末尾は「・・・・・・ご受納ください」とする
受書の書き方:初めに「受書」と大きく書き、以下、目録に従って品目を列記する。末尾に「・・・・・・受納いたしました」とする。先方が「女性側の結納品はなくていい」といった場合は、受書セットを。

(受書)
結納品を受けたことを記したもの
受書とは、結納品をたしかに受け取りましたとするもの。かつての往復型結納の場合、仲人が相手方の結納品を届けてくれるので、この受書が必要でした。いまの同時交換では、男性側から「女性側の結納品はなくてかまいません」といわれた場合は、「受書セット」を贈ります。

(家族書・親族書)
新たな親戚関係をつくるために家族を紹介するもの
結婚が家と家との結びつきと考えられていた昔は、姻戚関係を結ぶための同意書のようなものでしたが、いまは要望があった場合に家族紹介として交わされます。家族書は、同じ名字の家族を年長者から祖父母、父母・・・・・・、最後に「本人」として婚約者本人の氏名を書き、「以上」と結びます。親族書は、年長者順に父方のあと母方を三親等まで書きます。
人数の少ない家族では、家族書と親族書をひとつにまとめて記すことが多くなっています。「家族親族書」として1枚にまとめて氏名を書き入れます。
これも重要:名前は間違いなく!旧漢字や略字などは要注意
氏名を書くとき、「渡邊」を「渡辺」、「中嶋」を「中島」などと書いてしまわないよう、旧漢字、略字づかいは要注意。とくに姓が変わった姉妹や親族の名前は間違いやすいので注意します。

結納当日の準備

結納当日の準備をする場合

結納当日は、おめでたい雰囲気を演出します。
花を生けたり、縁起のよい掛け軸を床の間にかけたり・・・

ポイント
  • ・部屋の上座に結納品を飾る
  • ・桜湯と干菓子、さらに祝い膳の用意
  • ・縁起のよい掛け軸や花をいける
  • ・服装は準正装で、双方の格を合わせること
桜湯と干菓子を用意し、部屋の上座に結納品を

結納品は、床の間のある和室で行います。
床の間は、縁起のよい掛け軸にかけかえ、花をいけます。そして、そこに、白木台にのせた結納品を置きます。婚約指輪(記念品)は別の白木台にのせ、家族書・親族書は片木盆(自分のほうを表すものなので、白木台は用いません)にのせます。縁を結ぶということで、片木盆の継ぎ目が正面になるようにします。
床の間のない和室で行う場合は、上座に当たる場所に台を置き、あれば緋もうせんを敷いて結納品を飾ります。

カンタンに結納ができるホテルなどの「結納パック」

ホテルや結婚式場の結納パックを利用する人がふえています。結納品、部屋、桜湯など、必要なものはすべて整い、お願いすれば進行役も引き受けてくれます。あれこれ用意したり、心配することがなくてとっても簡単です。
この場合、結納品以外の費用は両家で半分ずつ出し合うといいでしょう。

お茶は出さず桜湯を用意

伝統的な作法では、桜湯または昆布茶を出します。お茶は、「お茶をにごす」といわれ、不祝儀に使うのできらわれます。かつては干菓子をだすこともありました。また、往復型の結納の場合は、仲人を乗せてきた車の運転士にも茶を出し、ご祝儀をわたします。

洋室で結納を行うケースも多いです。

最近は、床の間が減り(和室そのものも減っています)、洋室などで結納を行うケースが多くなってきました。
こうした場合は、床の間のない和室同様、洋室の上座に当たる位置にテーブルを置き、結納品を飾ります。
サイドボードの上を利用するのもいい(あれば緋もうせんを敷く)。いただいた結納品もここに飾る

(結納当日のファッション)
≪本人たち≫
準礼装あるいは略礼装が一般的。双方でバランスがとれるように事前に打ち合わせをしておくことが大切
女性は清楚なワンピース。格式を重んじる場合は、アフタヌーンドレスでもよい。厳粛な式なので、メイクはひかえめにし、ストッキングはノーマルなベージュを着用。生花のコサージュをつけるといい。着物を着る場合は、振り袖、訪問着、付け下げを
男性はダークスーツ。格式を重んじるような場合、ブラックスーツに礼装用のネクタイ(白またはシルバーの縞)をしめる
≪両親や仲人≫
男性はダークかブラックスーツに礼装用のネクタイ。女性は上品なワンピース。和装なら訪問着または色留め袖、一つ紋の色無地。母親は、仲人が和装ならば洋装にする。また両家のバランスがとれるように打ち合わせておくこと

Q. 食事の用意はしなくていい?

A. 結納がすんだら、全員で祝い膳をかこみます。
一汁三菜、二汁五菜、三汁七菜のいずれかで、内容は、赤飯、鯛の焼き物、はまぐりの吸い物など。それに祝い酒をそえます。地方によっては「結納開き」といって結納披露の内祝いを行うこともあります。結納が終わってから、仲人を主賓に親族なども集まって祝い膳をかこみます。
最近は祝い膳を用意せず、「御酒肴料」として「家内来多留」に現金を入れます。

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結納をする場合(当日)

婚約者本人と双方の両親、仲人夫婦が同じ場所に集まって行ないます。
現在よく行なわれる結納の方法です。

ポイント
  • ・結納品の引き渡しの口上は「○○家」という表現で
  • ・指輪の引きわたしの口上は、「○○△夫様」と本人氏名に「様」を
  • ・指輪をつけるのは式終了後
合理的で時間のかからないもっともポピュラーな結納

現在、もっとも多く行われる結納はこの方法。両家が同じ場所に集まって、その場で結納を交わすので、仲人の負担が少なく、時間もかからない合理的な形です。
女性の家、仲人の家、あるいはホテルや結婚式場などで行います。
また仲人は結納品をわたすときは、「○○家様より」と父親に、指輪は「○○△夫様より」と女性本人に、口上と相手を変えてわたします。
1. 男性の父親の仲人が向上を述べる。結納品は、家から家へ贈るものなので、「○田家」「○山家」というように、「家」をつける。口上が終わったら一同深く礼
2. 仲人夫人が床の間に飾ってある男性側からの結納品を女性の父親の前に運び、父親のほうに向けて置く
3. 仲人が口上を述べる。女性の父親が目録を開いて目をとおし、母親→本人の順に目録をわたしてそれぞれが目をとおす。さらに目録を本人→母親→父親の順にもどし、父親がお礼の口上を述べる。
次に、仲人夫人は男性側からの婚約指輪を女性本人の前に運び、女性のほうに向けて置く。仲人が口上を述べるが、そのとき「○○△夫様よりの・・・・・・」と、「家」ではなく男性のフルネームに「様」をつけていう。女性がお礼の口上を述べる。
4. 仲人夫人は女性側からの結納品を男性の父親の前に運び、父親のほうへ向けて置く。仲人が口上を述べたら、女性側と同様に目録に目をとおし、最後に男性の父親がお礼の口上を述べる。次に、仲人夫人は、女性側からの記念品を男性本人の前に運び、男性の方へ向けて置く。仲人が口上を述べ、男性がお礼の口上を述べる。仲人は結びの口上を述べ、男性の父親がお礼を述べ、本人たちがお礼を述べて、式は終了
5. 式が終了したら、仲人夫人が「それでは△夫さん、△子さんの指に婚約指輪をはめてください」といい、男性が前に出て女性の指に婚約指輪を入れる。ふたりが幸せな表情を浮かべたら、厳粛な式の雰囲気もやわらぎ、一同、なごやかに会話を始めてよい。つまりそれまでは私語厳禁ということ。
実は式終了の口上前に指輪の箱をあけると、一同、指輪に目がいってしまい、もう式どころではない。お楽しみは最後に

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仲人をたてずに行う場合

仲人をたてないので進行役は男性の父親が務めます。

ポイント
  • ・両家のみで行う方法では、進行役は男性の父親
  • ・男性側がわたすときは男性の父親が、女性側がわたすときは女性の父親が口上を述べる
現代の結納に多いスタイル仲人役は男性の父親が代行

結納では仲人をたてず、結婚式のときに媒酌人を頼もうと思っている人向きです。恋愛結婚に多い現代でふえている結納の形といえます。
前ページと同じようにすすめますが、仲人の口上は男性の父親が行います。また席次は左のように本人が上座か、父親が上座にすわります。本人が上座の場合は、結納品は本人の前に置かれ、お礼は本人が述べます。
(仲人をたてない結納の流れ)
①男性の父親が「ほんじつはお日がらもよく、○○△夫、○○△子さんの婚約相整いまして、まことに喜ばしく存じ上げます。これより結納の義、とり行いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。」とあいさつ。一同深く礼をする。
②男性の母親が結納品と家庭書、親族書を女性側に置く。男性の父親が「○○家よりの結納の品と家族書、親族書でございます。幾久しくお納めください」と述べる
③女性(または女性の父親)が「ありがとうございます。幾久しくお受けいたします」とお礼を
④男性の母親が、婚約指輪を女性本人の前に運び、男性父親が口上を
⑤女性がお礼の口上を述べる
⑥女性の母親が、女性側からの結納品を男性側に置き、女性の父親が、男性側同様に向上を述べる
⑦男性(または男性の父親)がお礼を
⑧女性の母親が記念品を男性本人の前に運び、女性の父親が口上を
⑨男性がお礼の口上を
⑩男性の父親が「これにて結納の儀がお納めさせていただきました。今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます」と結びの口上を述べ、一同深く礼をして式は終了
⑪男性が女性の指に指輪をはめる

往復型の結納を行う場合

両家を仲人が往復する関東式の伝統的な結納方法です。
最近ではこの方法の結納はあまり行ないません。

ポイント
  • ・仲人が両家を二回訪れる
  • ・両家の目の前で交わさないため受書が必要
  • ・結納終了後に仲人に祝い膳を出すこと。
結納品を持って仲人が双方の家を往復する伝統の方法です。

かつては、仲人が双方の家を往復して結納を取り交わしました。まず、男性側から結納品などを受け取り、女性側へ届けます。女性側から受書と結納品などを受け取り、それを男性側へ。男性側の受書を女性側へ届けて、結納が完了します。仲人は双方の家を2回ずつ訪れることになります。終了後、女性宅で仲人の労をねぎらう祝い膳を出し、運転手には「寿」と表書きしたご祝儀をわたします。

往復型結納の流れ

[男性宅]
①父親があいさつし、仲人が口上を
②父親が結納品について口上を
③仲人は目録に目をとおし口上を
④仲人夫人は結納品をふろしきに包み、仲人夫婦は女性宅へ向かう

[女性宅]
⑤父親があいさつし、仲人が口上を
⑥仲人夫人が男性側の結納品を女性の父親の前に置く
⑦仲人が口上を述べ、父親、母親、本人の順に目録に目を通す
⑧父親がお礼を述べ、母親が受書、女性側からの結納品を仲人の前に
⑨父親がこうじょうを述べる。全員が礼
⑩仲人夫人は結納品をふろしきに包み、仲人夫婦は男性宅へ向かう

[男性宅]
⑪仲人は女性からの受書をわたす
⑫父親と仲人が口上を述べ、仲人夫人が女性側の結納品を男性側へ
⑬仲人が口上を述べたら、父親、母親、本人の順に目録に目をとおす
⑭母親が受書を仲人に
⑮仲人夫婦が受書をもち女性宅へ

[女性宅]
⑰仲人は受書を女性側へわたし、口上を述べる。結納が終了。

今どきの結納&婚約パーティ

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

婚約指輪と記念品を交換するだけの新しい簡略式の結納スタイル
決まりの口上はきちんと述べましょう。

ポイント
  • ・婚約指輪と記念品の交換だけ行う
  • ・男性の父親が進行役になる
  • ・会食しながら挙式のスケジュールなどを決める

儀式めいたことはしないで、指輪と記念品だけを交換する方法。交換後はなごやかに会食します。かんたんに婚約をすすめたいという人にぴったり。ただ、両家が親戚としておつき合いしていくうえで、けじめだけはつけたいもの。そのために、最初の5分ほどは、きちんと口上を述べ、結納のスタイルをとることをおすすめします。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

レストランやホテルなどを利用するのが一般的です。進行役は男性の父親。予約するときに、目的を告げておくと、静かな部屋を用意するなど、配慮をしてくれます。また、食事のオーダーは指輪交換のあとにします。店やホテルによっては、桜湯を用意してくれることもあるので、問い合わせてみましょう。
Q会食の費用はどうするの?
A費用は両家で折半します。しかし、遠隔地から訪れた場合は、交通費や宿泊代などかかります。旅費がかからなかったほうが会食費用を負担するなど、両家で話し合って、同程度の負担になるようにするといいでしょう。
(スケジュール)
①期日決定:大安、友引がよいとされますが、必ずしも吉日にこだわることはありません。週末や祝日など、関係者の都合のよい日にしましょう。
②場所決定:一同に会して行う場合は、元々は女性宅に男性側が出向いていました。しかし、最近はレストランや料亭を利用するケースが多く、ホテル、結婚式場なども利用されています。
●ホテル・結婚式場
挙式を挙げる予定のホテルや結婚式場で行うのが一般的。桜湯や祝い膳などの準備が整っているので便利です。
●レストラン・料亭
個室または仕切りなどで独立したスペースが確保できるところを選びましょう。予約のときに、婚約のための会食であることをお店に告げておくとよい。
●女性宅
女性宅に集まって行うこともある。桜湯や祝い膳のもてなしは女性側が用意します。
③当時の服装
女性は清楚なワンピースかドレッシーなブラウスとスカートなど。アクセサリーやメイクは控えめにしましょう。男性はネクタイ着用を。
④当日の心得
あいさつは事前に考えておき、はっきりと述べることが大切。「ありがとうございます」ということばも、緊張すると「あぁどうも」となってなかなか言えないことも。また、いつもの調子で相手を「○○ちゃん」や愛称で呼ぶのは禁物。婚約者の前で恥をかかないために、言葉づかいは十分注意しましょう。

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ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

婚約式や婚約パーティーで指輪と記念品の交換をして、結婚の約束をしていることを周囲に知らせる婚約もあります。

ポイント
  • ・婚約式や婚約パーティーで婚約を公にしてもよい
  • ・婚約指輪と記念品の交換も公にする方法のひとつ
  • ・挙式まで時間がある場合は、婚約通知状を出す場合も

【婚約式】
婚約式は、キリスト教の習慣で欧米でよく行われています。教会の神様の前で婚約を誓い合い、男性から婚約指輪、女性からタイピンなどの記念品を贈り、婚約を成立させます。誓約書にサインし祈りを捧げ、賛美歌を歌って終了。婚約式には家族や友人が立ち会い、さらにキリスト教信者の中から選ばれた男女1名ずつが婚約の証人となりますが、とくに決まりはありません。婚約式のあとは、親戚や友人を招いてパーティを開きます。結納らしくするなら、目録を用意して指輪や記念品には水引きをかけるとよいでしょう。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

【婚約披露パーティー】
欧米の習慣ですが、最近日本でも多くなっています。職場結婚など周囲に婚約をしたことを知らせたほうがいい場合に合わせます。招待客は、友人関係や会社の同僚が中心。婚約指輪などの記念品の交換をメインに進行します。2時間前後のパーティーが一般的。カクテルパーティー、ガーデンパーティーなど形式はさまざま。ふたりのファッションも準正装で、男性はダークスーツ、女性はワンピースやスーツなど。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

あまり広範囲の人を招くことはなく、ごく親しい人にかぎります。職場の同僚でも、同じ部署の人や直属の上司で、友人も二人のことをよく知る人を招待するのがいいでしょう。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

【婚約記念品】
日本の習慣では、結納で現金を贈りますが、欧米では婚約指輪などの記念品を贈るのが一般的です。最近は日本でも、結納品とともに婚約記念品の交換を行う人が多くなっています。男性から女性へ贈るのは、誕生石かダイヤモンドの婚約指輪が一般的。その半額くらいの記念品を女性から男性に贈ります。最も多いのが腕時計です。その他にはカフスボタンや、仕立券つきの服地などが多いです。もちろんふたりで話し合って男性の希望を取り入れるわけですが、カメラやパソコンなどの古くなると使えなくなってしまうものは避けた方がいいとされています。予算は10万~20万円が相場です。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

男性は女性の左の薬指のサイズを事前に聞いておくこと。指輪の内側にはふたりのイニシャルと婚約の日付を刻みます。また、ペアの記念品を交換するのもよいでしょう。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

【婚約通知状】
正式に婚約したことを書面で知らせるのが婚約通知状です。とくに婚約から結婚式まで、時間がある(どちらかに1年間の海外赴任が決まっているなどの)場合は、婚約したことを、親戚や上司、知人に伝えましょう。

ふたりで結婚を決めたら、まずは両親に結婚の報告。

婚約通知状は、婚約したことを、(結納をした場合はいつ、仲人名なども記します)、挙式予定がある場合は「この秋には結婚のはこびとなりました」と報告します。まだ確定していない場合は「挙式は当分未定ではございますが」などと記し、今後とも支援をいただきたいことをお願いして結びます。
差出人は、ふたりの氏名か両家代表者にします。通知状を出す相手は、婚約していることを公にしておくほうがいい関係の人。たとえば、親戚、職場の人、親しい友人です。はがきで郵送するのが一般的で、カードを作成して封書にしてもいいのですが、あまりにもあらたまりすぎると、相手にお祝いの品の心配をさせてしまうことになりかねません。本文は、ワープロでも印刷でもかまいませんが、あて名は手書きで出すのが礼儀。同僚や友人に通知する前に、上司には口頭で伝えましょう。
(例)青葉吹き抜ける風の心地よいころとなりました。みなさまにはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さてこのたび私どもふたりは婚約いたしました。挙式は当分未定ではございますが、とりえず婚約のお知らせのみ申し上げます。今後ともよろしくご指導くださいますよう、お願いいたします。

Q .結納以外の方法で婚約が成立したときの仲人への謝礼は?

A. 結納同様、仲人にはお礼をします。下仲人としてお世話になった場合は5~10万円。両家の名前でで、結婚式や婚約披露パーティーがすんだら、わたします。「御車代」も一緒にわたします。婚約式や婚約披露パーティーをして、その数カ月後に挙式・披露宴をする場合は、招待客からのお礼はなるべく辞退するようにしましょう。なので、パーティーは会費制などにするとよいでしょう。